岩崎 芳太郎
変わったやつ(他人と違う人)こそが人財(企業の宝)です。
岩崎 芳太郎
Yoshitaro Iwasaki
いわさきグループCEO

 戦後教育の大きな欠陥は、画一化・規格化にあります。確かに高度成長期の企業社会においては画一化・規格化された人間は企業の歯車として大きな役割を担い日本社会の発展を支えてきました。しかし、現在の日本、そして地方がおかれている状況を鑑みると、インターローカル思想を持つわが社においては、仕事に携わる者の独自の発想や経験値こそが大きな力となります。
経営者の経営戦略を具現化することは最低限求められますが、それ以上の仕事をすることを我社で働くことの喜びとしてほしいです。
私が、「変わったやつと仕事をしたい」と常々考える所以です。

社員ひとり一人の個性や人格を大切に。
オーナー企業だからこそ、経営者の哲学が生きるのです。

 「オーナー企業」と聞いてあなたはどんなことを連想しますか?ネガティブな側面を思い浮かべる方が多いかも知れませんが、今日の日本の繁栄を築き支えてきた大企業のほとんどは、もとはといえば「オーナー企業」でした。「松下」「本田」「稲盛」・・・など、「オーナー企業」では企業内はもちろん対外的にも、常に経営者の「顔」が見えています。そして経営者の経営哲学がそのまま企業の経営に反映されます。
経営哲学を具体的に表したものが冒頭の「事業理念」ですが、「自尊と自律による自助自立の実現」「道徳的かつ合理的な個の実現」など、企業としてはもちろん、社員ひとり一人に「自らを尊び自らを律し、ひとり立ちをする」ことや「一個人として道徳的であり合理的である」ことを求めています。つまり、いわさきグループの社員たることは、会社としてもそして社員自らも、一人ひとりの個性や人格を大切にしながら、道徳的かつ合理的な存在たることなのです。

「インターローカル」は「グローバル」を越えた思想です。

 インターローカルとは、インターナショナル(国際)とローカル(地方)を組み合わせた私の造語です。
インターナショナルが国と国との関係を表現しているのに対し、ローカルとローカルが、国境や県境を越えて能動的かつ多面的に交流を行うことを表現するために創りました。
現在の日本における地方は、長引く経済の低迷に加え、地場産業の衰退、民営化や財政難等での地方切捨てのダメージも大きく、文化・経済の両面で地域の自立性と独自性が見失われ、将来の展望を見出せない状況にあります。これからの時代に求められる支店は「インターローカル」です。
「日本の中の地方」、「アジアの中の地方」、「世界の中の地方」が自ら情報を発信することで、情報の交流・人の交流・物の交流を生み出すことを実現できるのです。
日本を、アジアを、そして世界を巻き込んだ、ローカルからの地球規模のウェーブを興す原動力、それこそが「インターローカル思想」です。